関節炎と、リューマチ性関節炎とはどう違うのでしょうか。加齢とともに、だれでもかかるものなのでしょうか。遺伝が関係しますか?
女性に多い病気、免疫異常が原因か
関節に何らかの原因で炎症が起こることを関節炎といいます。関節の腫れ、痛み、熱、水がたまる、痛みや腫れのために関節が思うように曲がらないなどの症状が起こります。
原因は感染、外傷、アレルギー、代謝異常、自己免疫異常などです。加齢や、生活習慣、環境などが誘因となることもあります。原因によって、これらの症状が全身の関節に起こるもの、ひざや肩(片方または両方)、足の親指に起こるもの、そして朝起きたときに手指の関節がこわばるなどいろいろです。症状が突然出るものもあれば、徐々に進行するものもあり、特定の年齢に多いものや、性別による傾向もあります。
リューマチ性関節炎とは、原因がまだはっきり分かっていませんが、免疫異常によって起こると言われています。全身の関節に原因不明の炎症が起こり、関節が崩れていく病気です。リューマチ性関節炎患者の約3%が、家族に同じ病気を患った人がいるという報告がありますが、遺伝的な要素は発病の大きな原因ではなさそうです。
初期段階では、関節の痛みと腫れが主な症状ですが、進行するにつれて関節を構成する骨と軟骨が変形します。患者の男女比は5対1で女性が圧倒的に多く、20代から50代に発症することが多い病気です。
米リューマチ学会の基準によると、以下に挙げる7つの項目のうち、4つ以上に該当すると、リューマチ性関節炎と診断されます。
1:朝起きたときに関節が動きにくく、こわばった感じが最低1時間以上続く
2:6週間以上3つ以上の関節が腫れる
3:左右対称に腫れる
4:手首、指の付け根、指先から2番目の関節が腫れる
5:皮下結節がある
6:血液検査でのリュウマチ因子が養成になる
7:手のレントゲンに異常がある。
リューマチ性関節炎は、これまで「一度発症したら、ずっと付き合っていかなければならない病気」と考えられてきました。しかし、最近では効果の高い「抗リューマチ薬」で早期治療を始めることで、症状が出なくなる患者も増えています。何はともあれ、症状があれば、早めに医師の診断を受けることです。
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